雨宮天さんの13th シングル『Love-Evidence』を聴いて、今見えてるコトについて。
『私はライブでは曲ごとの世界観を可視化したいんですよ。』
『それぞれの曲を可視化するようなステージにしたい。』
(雨宮天「PARADOX」インタビュー|ポップに突き抜けた新境地の10thシングル - 音楽ナタリー 特集・インタビュー:取材・文 / 須藤輝)
と自身のライブパフォーマンスについて語っている雨宮さん。
「それならば」と、雨宮さんの『可視化』が届けられる前に自分の心を震わせたものを言語化しておきたいなと。
まだそのお弁当箱に押し込めるのは早いなあということ、ライブの可視化と和えたいなあということはカットしつつ、以上の二点をベースに、コトコトと煮込んでいければなと。
------
「Love-Evidence」
作詞:上坂梨紗・西野蒟蒻. 作曲:saku
(「理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ」オープニングテーマ)
「SOS」
作詞:上坂梨紗. 作曲:下野隼
Love-Evidence
懐かしさを感じる曲調だなあと思っていて、90年代アニソンっぽいのかな。
親しみやすくキャッチ―なメロディーラインで、すぐに鼻歌リスト入りしちゃった。
歌詞もアニメ「理系が恋に落ちたので証明してみた。r=1-sinθ」のタイアップらしく、「リケ恋」の世界観、登場人物たちが互いに向けている眼差しを写し取った言葉が並んでいますよね。
『不器用な笑みにキュン!はバグ?』というところとか、すごく「リケ恋」らしいフレーズだなあと思うし、この『キュン!』と『バグ?』の部分の演じるような歌い訳好きだなあ。
でも、『PARADOX』よりダイレクトに「好き」という気持ちをダイレクトにぶつけている歌詞だなあって印象があって。
というより、ドキドキさせるものの正体を知っているというか、1つ証明を終わらせ答えを得ている感じが前提にある、みたいな。
雨宮さんも声優グランプリ6月号のインタビューで
「第1期のラストで氷室と雪村が結ばれて、実験は続きながらも恋人同士として進んでいくという流れなので、この歌詞がぴったりなんです。」
とお話しているように、2人の恋に進展があったからこその曲だなあと思ったし、確かに2期だからこその歌詞だなあと頷けたのです。
この歌自体が、1期で恋路を進展させてきた2人の「Love-Evidence」だよね。
その進展をより感じさせるものとして、このスタイリッシュなメロディーラインがいい味出しているのかな。
『PARADOX』が思春期って感じだとしたら、『Love-Evidence』はもうちょっと大人びた落ち着きがあるというか。
そんなスタイリッシュな中に、時折ふと乙女チックな惚気が降ってくもんだから、なんだかかわいくて仕方なくなっちゃうな。
雨宮さんの歌唱も、スタイリッシュにかっこよく音をはめていきながら、不意に練りに練られたであろうこだわりの甘々歌唱を投げつけてくるから、心臓がビックリしちゃうのよ。
2Bの「あなたが大好きよ」とかさ、甘すぎんか?
1Bの「キスをしたいだけよ」もそうなんだけれど、「よ」の抜き方よ。甘すぎんか?
あの「よ」の表現にこの曲の主人公の気持ちがギュッと濃厚に凝縮されていてさ。
初聴きのとき、耳にそよいだ途端に「ほわっ?!」ってビックリしながら爆発してたよね。愛のバクダンかて。絶対練りに練ったこだわりだよ、やられたわ、もっと落っことしてくれ。
他に歌唱の中での好きな表現は、サビ終わりの「アナタ/あなたとだから」かな。
1サビ終わりの「アナタとだから」はスタイリッシュなかっこよさがあって。
そもそも、曲が進ごとに段々と惚気が出てきている印象があるんですよね。
澄ましてスタイリッシュにかっこよく見せているのに、迷路みたいな思考回路を進むうちに段々と鎧が剥がれて、甘々とした惚気が浮き彫りになってくる感じ。
そうだなあ、具体的に言うと、1サビ終わりまではスタイリッシュな大人の恋成分があったんだけれど、2番になると徐々に乙女チックな部分が濃くなってくる感じ。
「はあ、今日の〇〇くんとのデート、楽しかったなあ...」(湯舟に浸かりながら)
(30分くらい“彼”を頭の中で想い)
「はにゃ~、好き」(湯船ばちゃばちゃ or 湯舟ぶくぶく)
これ感すごいある。
僕が2Bの「あなたが大好きよ」に感じたのは、湯舟ぶくぶくだったのだ。
それを受けて、サビ終わりの「アナタ/あなたとだから」の話に戻るんだけれど
1サビ終わりの「アナタとだから」はスタイリッシュなかっこよさがあって。
でも、2番を経てのラスサビ「あなたとだから」を聴いてごらんな。
めちゃくちゃ、甘いんすよ。
幸福
信頼
安堵
愛情
「あなた」に向け、盛りに盛られた感情。
大きな愛が、盛られてるんよ...。
『あなたを想えば想うほどに、心がやんわりとほぐれていく』
そんな様子が楽曲から感じられて楽しんだよなあ、この曲。
意図的なものなのか、僕の勝手な勘違いなのか(大方そっち)わからないけれど、僕が楽しくホクホクとするので、そちらで良し!
ライブでどんな可愛さが届けられるのか、今からすごく楽しみだなあ。
あとあと、歌詞の中に「キミ」と「アナタ」、「あなた」が共存しているのも、素敵ポイントですよね。
対象の存在をうまく定義付けできていない感じ、すごくリケ恋感ある。
その使い分けの深層心理を考えるといろいろと楽しそう。
「あなた」ってだいぶ特別な距離感というか、特別な時に使う言葉だなあと思っていて。
「あなたのお陰です」とか「あなたが大好きです」とか、「あなた」という言葉を使うことで明確に『あなた』なんだって指定してメッセージ送っている感じがあって。
「キミ」から「アナタ」を経て「あなた」へのグラデーション、尊いわね...。
だんだんと「好き」のグラデーションが濃くなってる感じというか、想えば想うほどにオキシトシンが多量に分泌されていく感じ。
んー。
この子と相手への適正距離的には「キミ」とか「◯◯くん」なんだけれど、◯◯くんを想えば想うほどに好きが溢れて、「あなたが好きよ」なんて勢い余ってふと口走ってしまっている感じ、顔を覆いたくなる、直視できない幸福度。
「はあ、今日の〇〇くんとのデート、楽しかったなあ...」(湯舟に浸かりながら)
(30分くらい“彼”を頭の中で想い)
「◯◯くんったら今日も...そんなあなたが好きよ」(ぽつりと微笑みながら)
(そんなことをふと口走った自分に驚き、照れながら湯舟ぶくぶく)
なあ。
俺はさ、深夜3時に何をやってるんだ?
幸せそうでキュンキュンしてしまった、目がチカチカする。
そんな日々がさ、Love-Evidenceなんよ。
というわけで、初めてフルMVを観るのです。
はわー、かわいい
踊ってる!
こんな私じゃだめですかのカット
ここの影!
踊ってるー!
5人でダンスユニット感ある
かわいいがすぎる
あなたが大好きよのとこ、予想通り、やばい
キックボードの侵入角
クマー???
やっぱり踊ってる!!
--------
いやー、笑顔になれちゃうMVですね。
可愛くてコミカルで、いろんな場面や要素があって。
何より、ダンスだなあ、やっぱり。
声優アニメディアさんや声優グランプリさんのインタビューで、苦手なダンスをMVで踊るにあたって決めたある覚悟や、その覚悟を持ってかなり練習したことをお話しされていましたね。
そして届けられたのは、まるでダンサーさんと5人グループだったみたいにバッチリと踊りこなす姿と、苦手さなんて微塵も感じさせない笑顔。
お陰でMVを見ている間は、「この人ダンス苦手だってお話ししている人だよね」なんてことを次第に忘れさせられて、世界観に没入しちゃった。
そうなんだよな、この人の、こういうところが好きなんだよな。
意志を持ってしっかり考えながらアプローチしていく姿勢、そしてそうやって届けられたものに感じられるこだわり。
Love-Evidenceだね。
?
SOS
素敵曲だ〜。
情景というか、表情が頭に浮かぶ感じがあって。
好きだなあ、この曲
傍観の曲だなあと思っていて。
んー。
この人は、20代中盤から後半に差し掛かるOLな印象かな。
そして、「彼女」や「彼」といった周囲だけでなく、「私」という自分にでさえ一歩距離を置いて見てる人っていう印象を受けたのです。
そうなんだよな、この周囲や自分からも一歩引いたようなところに立っている感じがすごく好きで。
1Aメロの周囲を傍観している様子の描写も好きなんだけれど、2Aメロの
すれ違う人たちが隠してる
小さな罪をカウントしたり
の距離の置き方とかすごく愛しくて。
んー、雨宮さんが
「コインランドリーが出てくるから、そこまで裕福なわけではないというか、ちょっと狭めのアパート暮らしをしていて。そんな自分でもプライドがあるから、人前に出るときは強めの自分を作っていて、でも一人になるとつい外見の鎧がはがれて弱さが見えてしまうみたいな、そんなイメージをしていました。」(声優グランプリ 6月号 34頁)
とお話しされれているように、この人はこの人なりにプライドを持っていて、その『人前に出るときは強めの自分を作っていて』の様子がよく現れている歌詞だなあって。
そんな「強い自分」という偽りの人格を作っているからこそ、自分にさへ傍観してしまう感じ。
LOLってちょっと嘲け笑ってみたり、張り付いた笑顔だって自覚できている辺りからそんな様子が伺えて。
あとは、ずっと視点が自分語りの感じとかね。
自分にもそんな人格あるから、そんな様子がちょっと愛しく見えたりするんだけれど。
でも、曲全体を通して『憂鬱』な歌ではないんだよね。
たしかに、メランコリーな言葉は並んでいたり、雨宮さんの歌唱もその部分はしっかりとその「外見の鎧がはがれて弱さが見えてしまう」感じを表現されているんだけれど。
なんだろうな、こう。
明るい曲だなって、思ったんですよ。
この子は強い人間だなって、思ったんですよ。
傍観の曲だなあって思っていて。
んー。
この人は「傍観者」というより、「傍にちゃんと立って見れる人」だなあって思うのです。
気づけば零れ落ちるナミダも
ひとりごともメイクの跡も
誰も知らない
っていう歌詞があるんですけれど、それらは言葉の通り「私以外の誰も知らない」努力の跡だなあと思うんですよね。
でも、それらを知っている人がいて。
それが、「自分」なんですよね。
日々生きているとなかなか自分がそうやって「積み重ねてきたものが自分にもある」なんてことに立ち返って考えたりするのは難しいなと実感するところではあるんですけれど。
でも、この子は「そんな自分を周りは誰も知らないじゃないか。私が私を見失わなければ大丈夫、前を向こう。」みたいに落ち込む自分の傍らに立って、自分を自分で救うことができる子だなあって。
自分へのSOS。
受け取るのも、救うのも自分なんだって、わかっている感じ。
手のひら零れ落ちる愛やら
思いやりとか希望やらが
いつかアナタを抱きしめたなら
なにもいらない
届けSOS
1サビ終わりのこの部分こそ、弱い自分に向けた自分からの言葉かなあって、今は解釈してるかな。
強い人はずっと強いわけじゃない。
強く在ろうとする姿、『自分は自分が救う』っていうぶれない強さがこの曲にはあって。
ラスサビの「SOS」の歌唱にはそこまでの「SOS」にはなかった、嘲笑ではない笑顔が感じられて。前を向いている感じがあって、好きなんだよな。
歌詞自体が明るい方へ向いている歌詞だからある程度どんな歌い方をしても「前進」を感じさせることができる曲だと思うんですけれど、この原曲版においては雨宮さんの塩梅が絶妙だなあと思っていて。
タクシーの後部座席で涙拭って、ふっと嘲笑ではなく笑みを浮かべる、くらいの前進。
好きだなあ、この子。
がんばってほしい。
俺もがんばろ。
いやー、この曲、ライブでどう可視化されるんだろうな、楽しみだなあ。
「SOS」「Fleeting Dream」の流れとかでも聴いてみたいなあ。
そうね、どちらの楽曲も音に歌唱が気持ちよくはまっていて、聴いていてとてもご機嫌になれる曲だなあって。
それにしても、こうやって受け取るたびに考えるの、修行みたいだな
でも、こうやって届けてくれることでいろんなモノが見えるし、気付けるし、何よりあなたとだからこそ見せてくれるものが面白おかしかったり、キラキラしていたりして、大好きだなあ。
うん、がんばろうね。
ブログを更新しました。
— 雨宮天 Sora Amamiya artist official (@Amamiyastaff) May 11, 2022
<Love-Evidence本日発売!!>
⇒ https://t.co/LTyNIAdZTf #アメブロ @ameba_official #雨宮天