【感想文】③「JACKPOT JOKER」に今見せてもらっていることについて(雨宮天「Ten to Bluer」より)


雨宮天さんの4th アルバム『Ten to Bluer』を聴いて、今見えてるコトについて。

 

『私はライブでは曲ごとの世界観を可視化したいんですよ。』

『それぞれの曲を可視化するようなステージにしたい。』

雨宮天「PARADOX」インタビュー|ポップに突き抜けた新境地の10thシングル - 音楽ナタリー 特集・インタビュー:取材・文 / 須藤輝)

 

と自身のライブパフォーマンスについて語っている雨宮さん。

 

「それならば」と、雨宮さんの『可視化』が届けられる前に自分の心を震わせたものを言語化しておきたいなと。

      

まだそのお弁当箱に押し込めるのは早いなあということ、ライブの可視化と和えたいなあということはカットしつつ、以上の二点をベースに、コトコトと煮込んでいければなと。

 

ツアーまでにたくさん聴いて、これまでの生活で感じてきた感情を縒り合わせながら、また新たな感情を織り繕ってみたいなと。

 

今回は、トラック06「JACKPOT JOKERについて。

ぽやぽや考えすぎちゃって筆がいつも遅いので、今回は小分けのパウチに。


06.JACKPOT JOKER

06. JACKPOT JOKER

作詞・作曲・編曲:塩野 海

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声優業では色んな人物を演じますし、その人物ごとにしゃべり方や言葉のクセが違うので、息の使い方やどうしゃべったらどういう風に聞こえるかを常に研究していて。声優としての10年ちょっとの経験もこの楽曲には込められたと思いますし、正直自信があります。

(“青き民”への感謝の想いを込めて――。雨宮天、4thオリジナルアルバム『Ten to Bluer』、そして活動10年を迎えた今の気持ちを聞いた。)

 

とお話しされているくらい、随所に声優らしいアプローチの味付けを感じる曲で。

この曲がリード曲にあるのは、「まだまだ声優として歌っていくぞ!」っていう雨宮天さんの意気が伝わってくる意欲作だなあと受け取っています。

 

10周年を記念するアルバムを出すにあたり、リード曲は塩野さんに書いていただきたいとお伝えしまして。リモート会議で、私は塩野さんの曲のどこが好きなのかをご本人に語ったんですよ。それこそ「irodori」や「VIPER」が好例ですけど「毒をはらんだ華やかさ、隠しきれないギラつきみたいなものが好きです」とか「塩野さん特有の派手さが好きです」とか。だいぶ漠然としていたうえに年末にお願いしたので、聞くところによると塩野さんは大変な年末年始を過ごされたらしいんですが、その結果……。

(雨宮天「Ten to Bluer」インタビュー|“好き”を追求した先にたどり着いた、濃厚な青の世界)

本当にお疲れ様です...。

塩野さん、信頼の塊内閣環境大臣...。

 

デラデラギラギラで派手な世界観に、サビの独特な事件めいたメロディーライン、落ちサビのピアノ進行(これ特に好き)、どれもめちゃくちゃ好きだし、メロディーとしてすごく幅と奥行きがあるから「声優として」味付けをしていく雨宮さんとのジャズ的なセッションで生まれる化学反応が最高ですよね。

 

正直まだ作詞・作曲が伏せられてる状態の時、イントロでもう塩野さんを確信したけれど...(笑)

 

あと、インタビューでも触れられていたけれど、落ちサビの「赤と黒の〜」の節が雨宮さんの声で始まるの、ゾワっときてすごく好き。

 

「ちょっと幼い、手のつけられないいたずらっ子みたいなイメージで歌った」という『JACKPOT JOKER』。

 

「とても奔放で、自由で、伸び伸びと自分らしく生きている子」っていう感じの歌唱で。

 

こういう感じの曲、今までだとカッコいい宮さんの歌声のイメージで。

 

MVで初めて音源が解禁されたとき、イントロの数秒を聴いてその「カッコいい宮さん」を受け止める捕球姿勢だったんだけれど、ど頭の「Play」でおやおや???となって。

 

ストレートのつもりで待ってたら、投手の手元を離れた一瞬の軌道がカーブだったときの感じ。

 

伝わらんぞ。

 

実は、レコーディングが始まる1時間前までは「JACKPOT JOKER」も「TRIGGER」のようにカッコつけて歌うつもりだったんです。でも、それは違うと思い直しつつ「この曲でしか演じられない私を最大限演じたい!」という欲求に従った結果、この歌い方になったという。それはアーティストというよりは、声優としてのプライドと意地がそうさせたんでしょうね。「“2”じゃないだろ? 違うことをやるんだろ?」と。

(雨宮天「Ten to Bluer」インタビュー|“好き”を追求した先にたどり着いた、濃厚な青の世界)

 

とお話しされていましたが、ナイス判断だ...。

この曲みたいな妖艶かわいい宮さんの歌声がとても新鮮でしたし、お話の内容から『声優として歌う』という変わらぬ雨宮さんの在り方を感じられてすごく好きです。

 

そうねぇ。

ど頭の「Play」が好きすぎて、初聴きのときは電車の中で心の膝をうったのでした。

 

「Play」の艶やかな感じがすごく好きで、一瞬で心射抜かれて。

心の膝に矢を受けてしまってな...。

 

ここでもうこの曲の虜確定ですよ。

「ここ好きです!!!!」って感覚絶対言語化するぞって思ってたら、

 

僕は、ド頭の「Play」で勝負ありと思いました。ちょっとやる気なさそうで、歌詞にもあるように「嘲って」いるようでもあって。「JACKPOT JOKER」のミュージックビデオではポーカーをしていますが、それが彼女にとってどんなゲームなのか、「Play」のたったひと言でわかってしまうといいますか。

(雨宮天「Ten to Bluer」インタビュー|“好き”を追求した先にたどり着いた、濃厚な青の世界)

 

って、インタビュアーの須藤輝さんが既に言語化されてて、読んだ途端に「おわはっはっ」とか声が出てしまった。

須藤さん、信頼の塊内閣官房長官...。

 

その妖艶奔放かわいい宮さんで歌われていく物語。

 

信頼の塊内閣官房長官の須藤さんが、こうお話しされていましたね。

信頼の塊内閣、支持率めっちゃ高そうだ。

 

雨宮さんは「TRIGGER」には「もっと生きようよ、あんたの人生をさ!」というメッセージを込めたとおっしゃっていました。「JACKPOT JOKER」の歌詞にも「身勝手な心解き放って」といったフレーズがあり、やはり「自分らしく、自由に生きろ」的なメッセージを感じます。

(雨宮天「Ten to Bluer」インタビュー|“好き”を追求した先にたどり着いた、濃厚な青の世界)

 

 

 

須藤さん、信頼の塊内閣官房長官...。

消費税80%でも納得。

 

なんだろうな、こう。

 

奔放な主人公像で歌われているこの曲ですけれど、曲全体を通して「自分らしく、自由に生きろ」っていうものを多分に感じて。

 

とは言え、なかなか実生活で奔放に自由に生きることを実践するのって難しいけれど。

でも、そういう気概でいることで上手く乗り越えられるものもあるし。

 

どんなに落ち込んでもこの曲を聴くと、すごく気持ちよく調子づかせてくれる感じがこの曲にはあって、それは雨宮さんの「声優的な味付け」の加減が絶妙なところの力もすごく働いているなあと思っているのです。

 

1番2番ともにAメロの、『良い意味での奔放』へ誘惑してくる味付け、めちゃくちゃクセになる。

 

 

ふぇぇ...こんなんついていっちゃうよ...。

 

そうやって人を堕としにかかってくるJACKPOT JOKERちゃんが、なかなか堕ちないイヤホンジャックの向こう側のこちらに対してキレる、2サビ直前の「単純な世界をなんでこんなにも 面倒臭いものにしちゃったの?」、ここめちゃくちゃ大好きで。

 

 

「JACKPOT JOKER」は10年間のアーティスト活動の結晶であると同時に、声優業の結晶でもあると思っているんです。フレーズごとに表情の付け方にも注意を払っているし、例えば2番Bメロの「単純な世界をなんでこんなにも 面倒臭いものにしちゃったの?」は……まさにここも危ない音程を歌っているんですけど、そこで私は“キレる”という選択をしたんですよ。「もう、めんどくさい!」「バカじゃないの!」みたいな、そういう感情を入れられたのは自分でも気に入っていて。

(...)

最初から「ここでキレてやろう」と決めていたわけじゃなくて、レコーディング中に思いつきでやってみたら、うまくハマったんですよ。それ以外のパートではわりとニヤニヤ歌っている感じだからこそ、唯一ここで怒りを爆発させることで、ひと振りのスパイスみたいになったかなと。そうやって瞬間的に怒りを引き出せるのも、絶対に声優業をやっていたからですし、この曲を聴いてくれた人に「めっちゃ声優だな!」と思ってもらえたら、すごくうれしいです。自分で言うのもなんですが、これまで培ってきた歌唱表現をこれでもかと詰め込んで歌っているので。

(雨宮天「Ten to Bluer」インタビュー|“好き”を追求した先にたどり着いた、濃厚な青の世界)

 

この「誘惑」からの「キレる」ところ。

雨宮さんがアーティストデビューから一貫して語られてきた『声優として歌いたい』の積み重ねが厚く感じられて「めっちゃ声優だな!」って感じで好きだし、JACKPOT JOKERちゃんがめっちゃかわいい。

 

確かに、「貴方を縛り付けたのは誰?」って訊かれると俺だし、「苦しみ続けているのは何故?」って自分のせいだし、「単純なこの世界を面倒臭いもの」にしたのはこちらだけれど、なかなか「奔放に生きる」ってことに対して踏ん切りがつかない様子にイラついてキレてくるところ、めっちゃかわいい。

 

奔放か。

 

あと、サビ後半にある「微笑んで嘲って」のところも、特に「あざけって」と短くスタッカート効かせてる部分がJACKPOT JOKERちゃんの小悪魔的な表情を感じられて好き。

 

この曲、本当に雨宮さんの「声優らしい味付け」が多くて好きなんだよなあ。

 

落ちサビの「アイツラノ描イタ台本 ナンテ 従ワナイデイイ」の、悪い顔して『アイツラ』を下に見ているこちらの深層心理をぬるりと掬って同調させようとしてくる声、すごくゾワゾワする。

 

「従ワナイデイイ(↑)」のファルセット、情動を煽られる感じがあってすごく好き。

 

MVのアナザーエンディング見たけれど、これは弄ばれていたのはこちらということで...?

最後の口元「Play」だと思うんだけれど、そうだなあ、これくらい遊び心を持って日々楽しんでいきたいものね。

 

なんだろうね、こう。

 

「身勝手な心解き放って」といったフレーズがあるけれど、なかなかそうやって身勝手な天邪鬼ちゃんでいられんものだけれど、そういう自分もなくすことなく、やっぱ自分らしく、自由に生きていきたいものだなあって、この曲を聴いていると、よく思うのです。

 

たまにこの曲に調子づけられながら、好きを大事にして、出来る限り心の向くままに生きていきたいものね。

 

そうそう、「JACKPOT JOKERの主人公ちゃん」と「Catharsisの主人公ちゃん」の絡みを見たいんですよ!

 

これ結構わかってくれる人いると思うんですが、2人の関係性ってその人の好みというか癖がもろに現れるとおもうので、これは多様性があって楽しそうですよね。

 

JACKPOT JOKERの主人公ちゃんとCatharsisの主人公ちゃん概念のマルチバース。

わたし、気になります!!!

 

(「JACKPOT JOKERちゃん」と「Catharsisちゃん」、表面上は友だちだけれど心の奥底までは繋がってない感じの距離感概念がフェチ)

 

お仲間と語り合うのが楽しみだ。

 

 

いやあ、それにしても、ライブでJACKPOT JOKERちゃんを演じる雨宮天さんを観るの楽しみすぎませんか。

 

どんな可視化が届けられるのか、今からツアーがとても楽しみです(´×`)


【次記事】:風燭のイデア



■ライブ情報

LAWSON presents 雨宮天 Live Tour 2024 “Ten to Bluer Sky”

 

詳細:https://trysail.jp/contents/712658各地プレイガイド先行受付中

 

大阪・オリックス劇場

2024年5月11日(土)17:30開場 /18:30開演

2024年5月12日(日)16:00開場 /17:00開演

 

埼玉・大宮ソニックシティ 大ホール

2024年5月26日(日)17:30開場 /18:30開演

 

愛知・Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール

2024年6月9日(日) 17:30開場 /18:30開演

 

東京・立川ステージガーデン

2024年6月22日(土)17:30開場 /18:30開演

2024年6月23日(日)16:00開場 /17:00開演


『うじゃの遺言帳』

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